19世紀メキシコの大衆印刷文化に関する本邦初の研究書となります。
ハロウィーンのイベントやディズニー映画などの影響で日本でも知られるようになってきたメキシコの「死者の日」の象徴となっている骸骨の貴婦人カトリーナ。
その作者こそ、メキシコ近代美術の父と言われるホセ・グァダルーペ・ポサダで、そのポサダの版画作品を版元として世に送り出していたのが、バネガス=アロヨ工房の主、アントニオ・バネガス=アロヨでした。このバネガス=アロヨ工房に関しては、遺族の資料開示やそのデジタル化が進んだことで、近年、一気に研究が進んできています。これらの最新の研究をご紹介すると共に、大衆印刷文化が花開いた19世紀メキシコの「オハ」とよばれる庶民向け印刷物から、当時の庶民生活・文化・価値観などを読み解いていきます。
[著者] 長谷川ニナ
1957年メキシコシティ生まれ。1978年来日。東京外国語大学特設日本語学科卒業。東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了、博士課程満期修了。現在、上智大学外国語学部教授。
主な論文、共著、翻訳に「一茶の句における日本の家」(『比較文学研究』第52号、1987年、東大比較文学会)、「メキシコの先住民の笑いについての一考察」(『笑いと創造』第2集、2000年、勉誠出版)、『暁斎画談』スペイン語訳(河鍋暁斎記念美術館、2019年)他。
[編訳者] 八木啓代
京都外国語大学スペイン語学科卒。音楽家・作家として、メキシコシティと東京を拠点に幅広く活動。
メキシコPentagrama社から4枚のCDアルバムを発表の他、主な著書に『禁じられた歌』(晶文社)、『危険な歌』(幻冬舎)、『キューバ音楽』(青土社)、『ラテンに学ぶ幸せな生き方』(講談社)、『ラテンアメリカくいしんぼひとり旅』(光文社)、『リアルタイムメディアが動かす社会』(東京書籍)他多数。http://nobuyoyagi.com